みみの症状でお困りの方へ
なんでもご相談ください
外耳炎
きっかけは耳かき、指爪による引っかきによることが多いです。
炎症により生じた滲出液で耳あかが柔らかくなり、耳漏(耳だれ)にみえることがあります。
症状
耳痛、耳を触ると激痛、耳漏(みみだれ)、かゆみがあります。
外耳道の腫れが強くなると難聴、耳鳴りがあります。
物をかんだり顎を動かすと耳痛が増強します。
治療
外耳道を消毒液で清掃します。その後、軟膏やクリームを塗布します。
耳漏(みみだれ)が多い時には洗浄液で洗浄後に軟膏、クリームを塗布します。
滲出液が多い時はこまめな通院治療が望ましいです。
清掃しないでその上にクリームを塗布しても効果は乏しいです。
アドバイス
耳がとても痛いので、着替えの時も耳に触れないようにしてください。
耳をきれいに消毒して薬をつけてください。まめに処置したほうが治りがいいです。
普段の耳掃除の際に、耳あかを奥に押し込まないようにしてください。
子供さんの爪は長く伸ばさないようにしてください。
急性中耳炎
存在する菌が耳管経由で中耳(鼓膜の内側の空洞)に波及し炎症が生じます。
そのため鼓膜が発赤したり、滲出液が貯留し鼓膜が膨隆します。
「2歳未満」と「保育園児」は耐性菌(薬が効きにくい細菌)の保有率が高く治りにくいです。
症状
鼻汁、咳などの上気道炎(かぜ)症状。
耳痛、耳漏、耳閉感、耳鳴り、難聴。子供さんの場合は耳をさわる、不機嫌、突然の啼泣。
治療
起因菌に応じた抗菌薬の内服や点耳液。改善しなければ抗菌薬の変更や鼓膜切開による排膿。
鼻汁および鼻腔内の吸引、吸入(ネブライザー)処置。中耳炎は軽いものから状態によって3段階に考えています。軽度の場合は抗菌薬を飲まなくても治ることがあります。
アドバイス
小さな子供さんは「かぜ」をもらいやすく、中耳炎になることが多く、治りにくいことが多いです。
耳漏が出たときは、耳に綿球を当てておいてください。耳漏で綿球が汚れたら取り替えてください。
耳だれをそのままにしておくと周りがただれて湿疹になりかゆくなります。お風呂は熱がなければ構いません。
急性中耳炎は滲出性中耳炎に移行して、また聞こえが悪くなることがありますので、治るまで診せてください。
乳幼児の急性中耳炎のときの鼓膜は浮腫状(水ぶくれ)かつ肥厚しているので、切開してもすぐ塞がってしまい排膿が十分でなくなってしまいます。それでも必要な時には鼓膜切開・排膿を行います。
耳漏が出ているときは、毎日でもきれいに清拭してあげたいので、来院できるなら来て下さい。
滲出性中耳炎(しんしゅつせい中耳炎)
陰圧になる原因は、耳管(耳と鼻をつなぐ管)機能の換気不良や中耳粘膜のガス産生能が低下するためです。この耳管の換気が不十分となる原因にはアレルギー性鼻炎や鼻副鼻腔炎などの鼻疾患、アデノイドや上咽頭炎などの上咽頭疾患などがあります。
鼓室が陰圧になれば鼓膜は陥凹(たおれる)しますが、滲出液が多量に貯まれば鼓膜は膨隆します。経過は1カ月から5、6年に至る例まであります。
症状
難聴、耳閉感、自声強調(自分の声が耳に響く)が3大症状。これらを訴えることができるのは10歳頃からです。
乳幼児では、きこえが悪い、耳をよく触る、聞き返しが多い、ボーッとしているなど。
治療
鼻の処置と吸入(ネブライザー)。必要な際は内服薬。
耳管通気(子供さんの場合は風船通気)を2週間から2カ月。1週間に2回程度の通院治療を行います。
改善がなければ鼓膜切開。状況により鼓膜換気チューブ挿入術(耳管からの含気が期待できないために鼓膜に小さな孔を作り、その孔が塞がらないようにチューブを留置)を行います。
アドバイス
なかなか気付きにくい中耳炎です。
とくに子供さんは症状を訴えませんが、とてもうっとうしいものです。治るまで治療を続けてください。
言ったことがわからない、ボーッとしているなど「なぜ?」と思うことがありますが、聞こえの悪さや耳閉感が原因です。根気よく治療を続けてください。お風呂やプールには関係ありませんので普段通りの生活で構いません。
慢性中耳炎
滲出性中耳炎で留置した鼓膜換気チューブ後の穿孔が閉鎖しないままの例があります。
鼓膜穿孔を伴い感染を繰り返し、耳漏が出るタイプの「慢性穿孔性中耳炎」と、
穿孔はないですが、鼓膜が内側に倒れて癒着しているタイプの「癒着性中耳炎」があります。ほかに「真珠腫性中耳炎」があります。
症状
治療
耳漏があれば耳処置(外耳道を清掃、耳漏は吸引、消毒液の塗布)。
起因菌に対する抗菌薬の点耳液。乾燥した耳の状態で年齢を考慮し手術治療。
アドバイス
鼓膜の孔から細菌感染の可能性があり、普通の状態よりは耳漏が出やすい状態です。
スイミングは耳に水が入らないように耳栓を使用してください。
耳管開放症
普段は閉じていて、つばをのんだり、あくびをしたりすると一時的に開き、中耳が換気され、外界と圧が平衡状態になるように気圧を調節しています。この調節機構が働かず、常に開きっぱなしになると「耳管開放症」の症状が出ます。
このほか、ホルモンバランスの崩れや脱水症状、血行不良、激しいスポーツの後なども原因になりえます。
ちょっとしたきっかけで誰もが発症する可能性のある病気です。
「耳管」は1日中開いているわけではなく閉じたり開いたりしているため、1日の中でも症状に変動があるのが特徴です。
症状
耳閉感や自分の声が響いて聴こえる自声強調。
また「ゴーゴー」という自分の呼吸音に悩まされることもあります。
治療
横になって寝たり、胸より頭を下げておじぎをする体位をとることで
一時的に症状が軽減すれば耳管開放症の可能性が高いと思われます。
生活指導や精神安定剤、漢方薬の投与で2週~8週間観察します。効果がなければ鼓膜パッチ法などの局所処置も行う場合があります。それでも改善しない場合はご相談ください。
耳あか
綿棒で取ろうとして奥へ押し込んでしまうことがあります。
湿性(やわらかい)耳あかと乾性(カサカサ)耳あかとがあります。
症状
完全に耳が塞がれてしまうと難聴となります。ときに異物感、閉塞感を感じます。
治療
そのまま除去できれば良いですが、点耳液で軟らかくした後除去することもあります。
アドバイス
湿性耳あかの場合は、耳あかをため込まないように1週間に一度程度、綿棒で外耳道をぬぐうようにしてください。
固い耳かきで耳掃除すると、外耳道を傷つけてしまいます。
心配であれば受診してください。一度除去すれば3~4か月に一度程度で受診して下さい。
「自宅でいつも入浴後に耳掃除」の乳児には外耳炎を起こしていることもありますので注意して下さい。